Ryunosuke Matsuoka
DrupalCMSラボ 編集部
Drupalとは何か？
プリズムが光の角度によって様々な色を映し出すように、Drupalは豊富な機能を提供し、CMSの領域において個々のユーザーのニーズや視点に応じて異なる姿を見せます。ある人にとっては、Webサイトを構築するためのプラットフォームとして映り、別の人にとっては、デジタル体験を構築するための多目的CMSフレームワークの形を取ります。デジタルエクスペリエンスプラットフォームの中核コンポーネントとして見る人もいれば、デジタルエクスペリエンスプラットフォームそのものとして見る人もいます。プリズムから放たれる多様な色のように、Drupalの適応性は、CMS領域内でさまざまな役割を果たし、異なるユーザーニーズを満たす上での汎用性を強調しています。
Drupal.orgによれば、Drupalは次のように定義されています：
「カスタマイズ可能で、シンプルなWebサイトや複雑なWebアプリケーションの開発に適した、無料でオープンソースのコンテンツ管理フレームワーク」
Drupalの有用性は、従来のWebコンテンツ管理を超えて広がっています。ユニークなデジタル体験を促進するために設計された強力なプラットフォームとして機能しています。「革新的なデジタル体験」のためのツールから「意欲的なサイト構築者」にサービスを提供するというビジョンの転換は、その視野を広げるだけでなく、すべての人がアクセスできるオープンなWebを育成するというコミットメントを強化しています。さらに、完全に構成可能なアーキテクチャは堅牢な基盤の上に構築されており、10,000以上の拡張機能と統合の大規模なリポジトリを提供することで、ビルダーの可能性を増幅させます。
Pfizer、The Weather Companyなどの世界的に著名な組織、StanfordやPenn Stateなどの名門大学、アメリカ、オーストラリア、インドなどの政府、そして国連や世界銀行などの国際機関がDrupalに信頼を寄せています。その確かな実績により、多様で要求の厳しいプロジェクトにとって信頼できる選択肢となっています。
Drupalコミュニティ
Drupalコミュニティは、最大かつ最も活気のあるフリーソフトウェアコミュニティの1つとして知られており、その民主的なアプローチと包括性へのコミットメントで高く評価されています。このコミュニティの中心には、フリーでオープンソースに根ざした原則があります。Drupalコミュニティは、毎年開催される2つのフラッグシップDrupalConと、Drupalエコシステム内でのつながりとコラボレーションを育むために設計された多くのDrupalキャンプやその他のイベントを主催しています。
Drupalの学習
多くの人にとって、Drupalとの最初の出会いは、ソフトウェアに触れるときに起こります。広範なソフトウェアと同様に、Drupalにも複雑さがあります。幸いなことに、Drupalコミュニティは非常に親切で、これらの複雑さを案内し、Drupalの旅を始めるのを助けるための豊富なメンターシップの機会を提供しています。
学習曲線
他の人気のあるCMSとは異なり、Drupalの学習曲線は急で、習得には時間がかかることがあります。初心者にとっては、広大なコードベースと数千のコントリビュートモジュールのために、最初は圧倒されるように思えるかもしれません。しかし、適切なリソースがあれば、学習プロセスははるかに管理しやすくなります。
開発者として、個人はプロジェクトからプロジェクトへと革新的な方法を進める中で、常に学習曲線に直面します。Laura HaskellはDrupalの学習曲線について興味深い見解を持っています：「Surviving the Drupal learning curve」。
Drupalを学ぶための12のリソース
この記事では、Drupalの旅を飛躍的にスタートさせるための12のリソースを厳選しました。Drupalエコシステムには豊富な学習教材と参考資料がありますが、初心者は学習の正しい軌道に乗ることが難しいと感じることがよくあります。これらのリソースは、Webの基礎からDrupalの旅を続けるための追加リソースを見つけることができるソースまで、Drupalのさまざまな側面を網羅しています。
1. Getting Started With the Web
Webの世界に初めて触れる方は、基本から始めるのがよいでしょう。MDN Web Docsは、Web、HTML、CSS、JavaScriptについて学ぶための最高水準のリソースです。
2. Drupal User Guide
Drupal User Guideは、Drupalを習得する旅における最初のステップです。コンテンツ管理の基礎からDrupalのインストール、そしてそれらすべてを支える中核概念まで、全範囲を網羅する出発点として機能します。Drupalコミュニティとのエンゲージメントを開始する方法に関するセッションも含まれています。
Get Started with the Drupal User Guide
3. PHP for Beginners
PHPはDrupalを支えるパワーハウスです。当初、Rasmus LerdorfによってWebページテンプレートを前処理するために開発されたPHPは、長年にわたって変革を遂げ、テンプレートプリプロセッサから完全な現代的プログラミング言語へと進化しました。PHPの最新バージョンには、現代的プログラミング言語に期待されるすべての重要な機能が含まれています。
Drupalは、システムを標準化するためにSymfonyコンポーネントとオブジェクト指向設計パターンも使用しています。現在、現代的なWeb開発の実践に精通している開発者は、Drupal開発を始めるときに親しみを感じます。
現代のPHPについて質問がある方は、PHP25周年を記念してRasmus LerdorfがPHPの歴史とロードマップについて語ったプレゼンテーションをご覧ください。LaracastのJeffrey Wayによる優れたチュートリアルは、PHPを始めるために必要な背景知識を提供します。
Getting Started with Object-Oriented PHP Programming
4. Drupal - the Right Way
プログラムは人間が読むために書かれるべきであり、コンピュータが実行するのは付随的なことに過ぎない。
― Donald Knuth
Drupal開発を始めるには、そのコーディング規約を遵守することが重要です。Drupalのコーディング規約ガイドラインは、開発者がDrupalプロジェクト全体で高水準のコード品質と一貫性を維持するための青写真として機能します。これらのガイドラインは、クリーンで読みやすく、保守可能なコードを奨励するベストプラクティスをカプセル化し、協力的な開発環境を促進します。
Follow the Standards and Code for Humans
5. Drupal at Your Fingertips
Drupalでコーディングを始める人々にとっての避難所であり、このリソースは役立つコードスニペットのリポジトリを提供します。Drupalの旅の中で課題に直面したり、特定の問題の解決策が必要になったりしたときは、実用的なコーディングのヒントを得るためにこのガイドを参照してください。
6. Examples Module
意欲的なDrupalプログラマーにとって、Examplesモジュールをすぐに利用できるようにしておくことは賢明な決断です。このモジュールは、Event Subscriber、Form API、Servicesなどの主要な領域に対処しながら、機能的な例を使用してDrupalフレームワークを効果的に実証します。効率的で実践的な学習アプローチを提供します。
7. Drupal API Reference
よく書かれたコードを理解し吸収することは、自分自身で優れたコードを書くのに習熟する上で基本的なステップです。Drupalコードベースはこれに対する豊富なリポジトリであり、実際の高品質コーディングを直接見ることができます。初心者は、Drupal APIリファレンスを通じてこの広範なリソースを掘り下げることができ、さまざまな関数の説明やDrupalでの実装への参照を含む、Drupalコアシステムの詳細なドキュメントを提供し、学習のための実質的な基盤を提供します。
理解を深めるために、Wim LeersによるDrupalレンダーパイプラインに関する洞察に満ちたプレゼンテーションをご覧ください。Drupal 8を中心としていますが、最新のDrupalバージョンで関連情報を見つける場所について貴重な指針を提供しています。Change Logsも、Drupalコードベースで何が起こっているかを把握するための良い場所です。
8. DrupalCon Sessions
年に2回開催されるDrupalConセッションは、Drupalの世界の最新情報を学び、追いつくための豊富な情報源です。最新のDriesnotes（DrupalプロジェクトリーダーであるDries Butyaertによるセッション）を視聴すると、現在のトレンドとDrupalのロードマップについての洞察を得ることができます。
9. Drupal TV
Drupal TVは、多数のDrupalイベントからの厳選されたビデオの豊富なリポジトリとして機能します。学習者にとって例外的なリソースであり、Drupalのより深く多様な理解を可能にする厳選されたビデオコレクションを提供しています。
10. Drupal Planet
Drupal Planetは、Drupalを中心としたブログを探索できるダイナミックなハブです。他の人のDrupalの取り組みに関する洞察を求めている場合でも、チュートリアルを探している場合でも、ヒントを求めている場合でも、このプラットフォームはDrupalエコシステム内での没入型体験を提供し、効率的な学習を促進します。
11. Drupal Q & A
#supportチャンネルやその他の関連チャンネルでDrupal Slackを通じてDrupalコミュニティと交流してください。進行中のディスカッションを観察したり、自分の質問をしたりすることができます。Drupal AnswersやDrupalとそのモジュールのissue queuesなどのプラットフォームは、質問への解決策を見つけるための素晴らしい場所です。
Get Support From the Drupal Community
12. Be Part of the Drupal Community
広大なDrupalコミュニティの一員になることで、Drupalの旅を始めましょう。この温かく包括的な空間では、多様な活動やイベントが開催され、志を同じくする個人とつながる豊富な機会が提供されています。
その他のリソース
リソースのリストはここで終わりません。Drupalの学習の旅のために、さらにいくつかをご紹介します。
- DrupalShipは、Drupalの能力を高めることを目的とした多様なチュートリアルとガイドで溢れるリソース豊富なライブラリです。初心者でも中級レベルでも、このプラットフォームにはあなたのための何かがあります。
- PHP The Right Wayは、現代のPHP、オブジェクト指向プログラミング、セキュリティに関するリソースを見つけるためのもう1つの必須の場所です。
- Acquia Drupal Certification Study Guidesは、Drupalの特定の領域に焦点を当て、Acquiaの認定取得を目指す人々のための豊富なリソースです。Acquia Academyは、学習者向けの無料Drupalコースを含むコミュニティセクションも提供しています。
- Drupalize Meは、すべての学習レベルに対応するように設計された広範で多様なリソースセットを提供する、Drupalトレーニング教材の包括的なリポジトリです。
- Talking Drupal podcastは、この分野のベテランエキスパートからのDrupalに関する洞察とディスカッションを提供する主要なリソースとして登場します。
- Drupal Global Training Day - お住まいの地域で開催予定のDrupal Training Dayをチェックしてください。
Drupalのプロフェッショナルトレーニング
Drupalのプロフェッショナルトレーニングを提供する組織は多数あります。以下の組織は、その専門知識とコミュニティへの貢献で際立っています。
- DrupalizeMe: Drupalize Meには、膨大なトレーニング教材とガイドのリポジトリがあります。これは、Drupalを独学で専門的に学びたい人にとって最適な場所です。
- Acquia: Acquiaは、Drupalに関するプロフェッショナルトレーニングと認定を提供しています。Acquia認定は、Drupal認定における事実上の標準と考えられています。
- DrupalEasy Academy: DrupalEasy Academyは、個人およびグループ向けにDrupalに関するインストラクター主導のプロフェッショナルトレーニングプログラムを提供しています。
- Debug Academy: Debug Academyは、WebとDrupalに関するプロフェッショナルスキル開発プログラムを提供しています。
- Evolving Web: Evolving Webは、個人およびグループ向けにプロフェッショナルDrupalトレーニングを提供しています。
質問の仕方について
質問への回答を得るには、賢く質問する方法を学びましょう。Eric S. Rymondによる「How To Ask Questions The Smart Way（賢い質問の仕方）」のガイドをお読みください。
フリーソフトウェアを理解する
Drupalはフリーソフトウェアの哲学に根ざしています。この哲学をよりよく理解するために、以下の記事を探索してください：
次は何をする？
『やるか、やらぬか。やってみる、はない』
画像クレジット: Eastern Washington University Flicker
このページをブックマークして、Drupalの世界への探索を始めましょう。前途は困難に見えるかもしれませんが、ヨーダの賢明な言葉を思い出してください。『やるか、やらぬか。やってみる、はない』。努力に専念すれば、Drupalジェダイになる道を順調に進んでいます。
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この記事は 「Drupal's Learning Curve: Tips and Resources for Beginners」の翻訳記事です。
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