Drupalの未来を変える革新的なページビルダー「Experience Builder(XB)」が、いよいよα版として利用可能になりました。2025年のウィーンで正式リリースを控えるこのツールは、マーケターから開発者まで、あらゆるユーザーのコンテンツ作成体験を根本から変えることになるでしょう。
Experience Builder が必要な理由
これまでDrupalでページを構築するには、Layout Builder(レイアウトビルダー)やParagraphs(パラグラフ)など複数のツールを組み合わせる必要がありました。しかし、Experience Builderは視覚的な行・列グリッド+リアルタイムプレビューという直感的なUIで、すべてを統合します。
5つの革新的メリット
1. 開発・編集の境界の縮小
マーケターも開発者も同一UIでの更新が可能。コードを書かずに複雑なレイアウトの実現。
2. SDCとの相乗効果
Single Directory Components(SDC)で作成したコンポーネントを、そのままドラッグ&ドロップで配置。再利用性の飛躍的向上。
3. 安全なデプロイメント
Package Manager(パッケージマネージャー)を介したステージング&ロールバック機能により、本番環境へのリスクの最小化。
4. 将来への拡張性
Site Templates(サイトテンプレート)、AI Framework(AIフレームワーク)、Marketplace(マーケットプレイス)とのシームレスな連携が計画済み。
5. アクセシビリティとガバナンス
キーボード操作や権限分離の改善が進行中。エンタープライズ環境への対応。
Experience Builder α版の試用方法
インストール手順
現在のα版(0.4.0-alpha1)は、Composerで簡単にインストールできます。
composer require drupal/experience_builder:0.4.0-alpha1必要な前提条件
- Drupal 10.3以上(推奨:Drupal CMS 1.x)
- PHP 8.3以上
- SDCモジュール(コンポーネント管理用)
インストール後、管理画面から「Experience Builder」モジュールを有効化します。
実践:SDCコンポーネントをXBキャンバスへ
ステップ1:デモ用SDCコンポーネントの作成
まず、シンプルな「Hero」コンポーネントを作成してみましょう。
# modules/custom/my_components/components/hero/hero.component.yml
name: Hero Banner
props:
type: object
properties:
title:
type: string
title: タイトル
subtitle:
type: string
title: サブタイトル
image:
type: string
title: 背景画像URL{# modules/custom/my_components/components/hero/hero.twig #}
<div class="hero-banner" style="background-image: url('{{ image }}');">
<h1>{{ title }}</h1>
<p>{{ subtitle }}</p>
</div>ステップ2:Experience Builderでの配置
- コンテンツ作成画面で「Experience Builder」レイアウトを選択
- 左サイドバーから「Hero Banner」コンポーネントをドラッグ
- キャンバス上の任意の位置にドロップ
- 右サイドバーでプロパティ(タイトル、サブタイトル、画像)を編集
- リアルタイムプレビューで確認しながら調整
ステップ3:レスポンシブ設定
Experience Builderの強力な機能の一つが、デバイスごとの表示設定です。
- デスクトップ、タブレット、モバイルの各ビューポートを切り替え
- グリッドの列数や余白を個別に調整
- コンポーネントの表示/非表示を制御
Layout Builder との使い分け
Experience Builder が適している場面
- ランディングページの作成
- 頻繁に更新が必要なキャンペーンページ
- ビジュアル重視のコンテンツ
- 非技術者による日常的な更新作業
Layout Builder を継続利用すべき場面
- 既存サイトで安定稼働している環境
- カスタムレイアウトプラグインを多用している場合
- 複雑な権限管理が必要な場合(現時点では)
両者は共存可能で、段階的な移行も可能です。
既知の課題と改善への取り組み
α版である現在、いくつかの課題が報告されています。
アクセシビリティ
- 課題:キーボードナビゲーションの不完全性
- 対応:改善作業が進行中
多言語対応
- 課題:翻訳インターフェースとの統合の未完成
- 対応:検討中
パフォーマンス
- 課題:大規模ページでの読み込み速度
- 対応:レンダリング最適化とキャッシュ戦略の改善を実施中
コミュニティからのフィードバックを積極的に募集しており、GitHubやDrupal.orgのイシューキューで議論に参加できます。
2025年以降のロードマップ
2025年Q2:Public Beta リリース
- 初回Site Templates(サイトテンプレート)の提供開始
- Project Browser(プロジェクトブラウザー)との完全統合
- パフォーマンスの大幅改善
2025年Q3:Drupal CMS 2.0 での GA 版
- Experience Builder 1.0の正式リリース
- 統合レシピによる自動セットアップ
- エンタープライズ向け機能の充実
2025年Q4以降:エコシステムの拡大
- Drupal CMS Cloud(SaaS版)との連携
- AIアシスタント機能の統合
- Marketplace(マーケットプレイス)でのコンポーネント共有
Project Browser からの導入フロー
将来的には、Project Browser(プロジェクトブラウザー)から直接Experience Builder対応のコンポーネントやテンプレートをインストールできるようになります。
- 管理画面から「Extend」→「Browse」を選択
- 「Experience Builder Compatible」でフィルタリング
- 必要なコンポーネントパックを選択してインストール
- 即座にXBキャンバスで利用開始
まとめ:今すぐ始める理由
Experience Builderはまだα版ですが、Drupalの未来を体験する絶好の機会です。特に以下のような方にお勧めします。
- マーケター・サイトビルダー:ノーコードで高速にLPを組み立てたい方
- Drupalエンジニア:SDCやLayout Builder(レイアウトビルダー)を使っており、編集DXをさらに高めたい方
- イノベーター:最新技術をいち早く試し、コミュニティに貢献したい方
GitHubのデモプロジェクトをクローンして、今すぐ試してみましょう。あなたのフィードバックが、Drupalの次世代ページビルダーをより良いものにしていきます。
Experience Builderに関する最新情報は、DrupalCon Vienna 2025でのセッションや、公式プロジェクトページをご確認ください。
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