jGrants は、ANNAI が経済産業省(METI)と共同で開発した Drupal ベースの Web アプリケーション で、2019 年 12 月に公開されました。
企業の補助金申請を支援するとともに、各事務局が申請・案件情報を効率的に管理できるよう設計されています。
jGrants の設計思想
jGrants は「補助金等適正化法」(以下 適正化法)を軸に、数千の事務局に共通するユースケースと業務プロセス を体系化して実装しています。主な機能は次のとおりです。
主な機能
- 補助金情報の公開
- 企業からの申請受付
- 申請ごとの審査担当者・通知担当者の割り当て
- 採択後の各種手続き(報告書提出・経費精算など)
- 進捗に応じた自動通知
- 未入力項目があっても一時保存可能な申請フォーム
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政府提供の認証基盤 gBizID(https://gbiz-id.go.jp/)との連携
適正化法や関連法令に準拠した手続きを システム側がガイド するため、提出書類の再確認や修正依頼の手間を大幅に削減できます。
1. 企業・事務局向けアクセス制御
- 補助金は省庁だけでなく、再委託を受けた団体が管理するケースも多数。
- 事務局ユーザー は自分の担当案件・企業のみにアクセス可能。
- 企業ユーザー は単独申請も共同申請もでき、それぞれ関連データのみ閲覧可能。
- Core のロール/権限に contrib モジュールとカスタムコードを組み合わせ、状態遷移に応じて特定フィールドのみ編集可 など精緻な制御を実装。
2. カスタムワークフロー
- Drupal Core の Workflow モジュール を拡張。
- 申請・プロジェクト双方に「提出済み」「審査中」「進行中」「完了」など多数の状態を定義。
- 日本型の稟議フロー(係長 → 課長 → 部長…)も再現可能。
- 事務局ごとのローカルルール(承認者 1 人 vs 8 人など)に対応できる柔軟設計。

3. 一時保存(Temp Save)機能
- 標準の Drupal フォームは必須項目が埋まらないと保存不可。
- 外部モジュールは Web Storage 依存で、共有 PC 利用時のセキュリティに課題。
- サーバー側にドラフトを安全保存 する独自機能を開発し、申請途中で離席しても再開可能。
4. gBizID 連携
- gBizID でログインすると、法人情報(名称・住所など)を自動取得。
- 毎回の入力負担を軽減し、認証の一元化を実現。
まとめ
jGrants は Drupal 8 を基盤に、複雑な アクセス管理・ワークフロー・監査証跡 を支えるカスタマイズと contrib モジュールで構築された 補助金申請/管理システム です。数千件のプロセスから共通項を抽出し、シンプルかつ高汎用 に設計。2019 年 12 月の公開以来、多数の申請と案件を安定して処理し、その信頼性が実証されています。
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