シャープのデジタル変革:グローバルB2BブランドがDrupalを選んだ理由【DrupalCon Nara 2025】

DrupalCon Nara 2025 SHARPセッションの様子
目次

DrupalCon Nara 2025で行われた「シャープの裏側:グローバルブランドがDrupalでデジタルイノベーションを推進する方法」セッションでは、Sharp Corporation ExecutiveとSharp Electronics Europeのマーケティング責任者が、6年間にわたるデジタル変革の旅路を率直に語った。B2Cブランドとして知られるシャープが、実は売上の40%をB2B事業が占めること。その複雑なB2B事業をDrupalで支える理由が明らかになった。

12万社の顧客を2,500名で支える複雑性

シャープのヨーロッパB2B事業は、48カ国、63の直営オフィス、19言語、11通貨にまたがり、12万社の企業顧客を2,500名のエキスパートで支えている。複合機からプロフェッショナルディスプレイ、ITサービスまで製品も多岐にわたる。

「B2C事業はシンプルです。メッセージは一つ、製品数も限られています。しかしB2Bは全く違う。何千もの製品、何十万もの顧客、それぞれ異なるニーズがあり、複数言語で正確に情報を提供しなければならない」とスピーカーは強調した。

6年前の決断:老朽化したシステムからの脱却

6年前、Jason氏は自社のマーケティングテクノロジースタック(MarTech Stack)が「賞味期限切れだ」と認識した。公開ウェブサイト、Eコマース、ディーラーポータル、CRMまで全てを刷新する必要があった。デジタルネイティブなミレニアル世代が意思決定者になりつつあり、変革は待ったなしの状況だった。

Image
DrupalCon Nara 2025 セッションの様子

Drupal選定の理由

技術選定で重視した要件は、多言語サポート、エンタープライズスケール、セキュリティ、オープンソース。「WordPressでいいのでは?と言われましたが、セキュリティのスペルを知っていますか?」とJason氏。Sharp Corporationにとって、オープンソースコミュニティへの貢献は企業理念の一部でもある。

技術面では、柔軟なAPI、クラウド対応、スケーラビリティ、優れた管理者体験を重視。Drupalと実装パートナー1X Internetの組み合わせが、全ての要件を満たした。

3年間の成果:アジリティとコスト削減

導入後3年間で、17サイト、19言語をカバー。A/Bテストの迅速な実行、アクセシビリティ法規制への素早い対応、ブランドリフレッシュの実施が可能になった。

さらに、Drupalの柔軟性を活かし、ディーラーポータルも独自構築。「既製ソリューションより、Drupalで構築した方がニーズに合致し、コストも低い」という結論に至った。

現在のMarTechスタックの中心にはDrupalがあり、新しいPIM、マーケティングオートメーションプラットフォームActon、Adobe Commerceと連携。ITとマーケティングの良好な関係が、成功の秘訣だった。

教訓:完璧を求めず、品質は妥協しない

「計画は常に変わる。適応する準備を。完璧を求めず、MVP(Minimum Viable Product)で継続的な進歩を。ただし、セキュリティなど品質は妥協しない」とJason氏。

「Drupalは絶対に正しい選択でした。3年間使っていますが、これから何年も使い続けます」。この言葉が、Sharpのデジタル変革におけるDrupalの価値を物語っている。

カテゴリ